被害者意識という物語

この世は諸行無常であることを
理解しない人はわりと少ないと想う

だけど個人の人生がそうであることには
たえがたいのが人間である

そこで因果律などを持ち出し
人生に意味があるように考えた

それが「物語」の原型である

たとえば
被害者意識という物語がある

自分は何か(誰か)の被害者で
困っちまってますという考え方である

人は被害者であり加害者でもある
と考えるぼくには受け入れがたい考えだが
本人にとってそれが一番納得できるなら
文句を言ってもはじまらない

でももしその人が近くにいたら
少しだけ誘ってみたいと想うのだ

人はシンプルな物語を好む
でも人生はシンプルじゃないので
いろいろな矛盾が生じてしまう

その矛盾に入り込んでくるのが
怒りや嫉妬といった負の感情だ

負の感情は暴力を生みやすいので
できれば遠ざけていたい

人は
被害者であるかもしれないが
加害者でもあるかもしれない

これはシンプルな考え方に
少しの陰影をつけた程度のことだけど
「負の感情」に対して冷静さを持てる分
気に入っている

もっともこれも
物語であることには変わりないけれど
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5月(だったかな)日比谷






by sadsonghappystory | 2014-07-30 08:11 | 物語について

★板垣恭一/いたがききょういち 東京都出身。演出家。日大芸術学部演劇学科、第三舞台を経て、フリーの演出家に。以降、数々のプロデュース公演を演出。映像ディレクターとしても活動。


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