ふたりの女の子

コーヒーを飲んでいたら
となりの席の女の子が
空になったジュースのコップを
ストローでジュルジュル〜と

お父さんがピシャリと
「みっともないからやめなさい」
「みっともなくないもん」

その瞬間
女の子がチラッと僕の顔を
見ました

7〜8歳くらいでしょうか

しばらくしてまたジュルジュル〜
「みっともないからやめなさい」
「みっともなくないもん」

今度は僕の顔を
見ませんでした

お父さんは本を読んでいて
女の子はケータイらしきものを
いじっていて

もうしばらくして「いくぞ」と
立ち上がるお父さん
続く女の子

彼女は身長の3分の1くらいある
ウサギのぬいぐるみを
抱きしめていました

そのとき
ドスンと隣に座ったのが
また女の子でした

歳は同じくらい
制服らしきものを着て
今度はお母さんが
一緒でした

お母さんはイライラと
何事かをしゃべっていました
うつむいてサンドイッチを食べる女の子は
一言もしゃべりませんでした

僕は読んでいた本が
終わってしまったので
席を立ちました

子供って大変だなと思った
日曜日の午後でした
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シリーズ江戸東京たてもの園
小出邸の雪見障子
by sadsonghappystory | 2013-05-13 00:10 | いろいろ

★板垣恭一/いたがききょういち 東京都出身。演出家。日大芸術学部演劇学科、第三舞台を経て、フリーの演出家に。以降、数々のプロデュース公演を演出。映像ディレクターとしても活動。


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